「…

辰也は私の涙を拭う。
溢れては零れる涙。止まらない。


「辰也、違うの」

心配そうに私を見つめる辰也に、首を振る。
違う、つらいわけじゃないんだよ。

「辰也が好きで、なんだか…」

好きで、苦しい。
辰也が、好きで、好きで。
胸が、張り裂けそうなほど。

「苦しいの」

苦しい。
辰也への想いでいっぱいで、苦しくなる。



ときどき、こんなふうに強く思うことがある。
辰也が好きで、大好きで、胸がいっぱいになって、苦しくなって、どうしようもなくなることが。

…」

ゆっくり、優しく抱き上げられて、ベッドに寝かされる。

「た、辰也。もう帰らなきゃ…」

今日は部活が終わるのが遅かった。
あまり長居はできない。

はこのまま帰れる?」

頬を撫でられる。
私は、頷けなかった。

「…ずるい子だ」
「え…」
「『帰らなきゃ』なんて、わざと言ったの?」

顔がかあっと赤くなった。
わざと言ったわけではないはず、だけど。

「わざとじゃないなら、もっとひどいな」
「ん…っ」

辰也は私のシャツのボタンを外して、首筋にキスをする。
心臓が静かに、だけど力強く鼓動を打つ。

「あ…」

ブラジャーを捲りあげて、胸の先端を指先で転がされる。
優しい手つき。私のことを傷つけないように、でも、感じさせるように。

辰也はいつだって優しい。
ちょっと意地悪なときもあるけど、私を傷つけるようなことは絶対にしない。
壊れものでも扱うように私に触れて、蜂蜜のように甘い愛情を注いでくれる。
だから私は、辰也にどんどん溺れてしまう。

「ん、あ…っ」
、可愛いよ」

両方の胸をもまれて、ゾクゾクと快感が広がっていく。
大きい辰也の手に、私の胸はすっぽり収まってしまう。

「…辰也…っ」
「好きだよ、。愛してる」
「ふ…っ」

辰也は愛の言葉を囁いた後、長い長いキスをする。
私を安心させるような、優しくて、熱いキス。

「私も、好き。辰也が大好きなの」

私の言葉を聞いて、辰也は笑う。
上着を脱ぐと、もう一度キスをした。


「あっ!」

辰也はスカートの下に手をもぐらせ、下着の中に指を滑らせる。
恥ずかしい水音が響く。

「ん…っ」
…」

辰也は下着を剥がすと、少し早急に私の中に指を入れてくる。
ぎゅっと辰也の腕を掴んだ。

「た、辰也、あっ!」

快感が広がって行く。
辰也のことで頭がいっぱいになって行く。

「あっ、あ!」
、好きだよ」

辰也は指を増やして、私を快感でいっぱいにしていく。
唇で、私の体にキスをしながら。

が好きだよ。愛してる」
「わ、私も…あっ」

辰也は何度も何度も合いの言葉を紡いでくれる。
私を安心させるように。
私が心配することなんて、何もないんだと言うかのように。

「辰也、好き…」

辰也が好き。大好き。
好きで好きで仕方なくて、苦しくなる。

「オレもだよ」

辰也は指を抜くと、私の足を思いっきり左右に広げた。
そのまま、私の秘所に唇を寄せる。

「ふ、あっ…!」

舌で器用に舐められたり、吸いつかれたり、優しく丁寧に愛撫をしてくる。
辰也に抱かれるたびに、私は愛されているんだなと実感できる。
すごく幸せな時間だ。

「あっ、辰也、あ…っ!」

辰也は唇を離すと、自分の服を脱ぎだす。
すでに勃ち上がったそれを取り出す。

「…辰也…」

起き上がって、辰也の腕を掴む。
辰也は不思議そうな顔をした。

「私も、辰也が好きだから…」

辰也のソレに手を添える。
私も辰也が大好きだから、辰也も私と同じように愛されてると思ってほしい。
幸せだと思ってほしい。

…っ」
「ふ…」

辰也のソレを口に含む。
辰也が少し濡れた、驚いた声を出した。

「ん、ふ…っ」

先走りの液で濡れた辰也自身。
口と手を使って辰也を愛撫していく。
まだ全然下手くそだろうし、辰也が気持ちよくなってるかわからない。
でも、辰也に少しでも感じてほしい。
私がそう思うように、愛されていると思ってほしい。

「はあ…っ」

辰也の息が漏れる。
すごく、ドキドキする。

、もういいよ」

辰也は私の口を外させる。

の中でイキたい」

そう言われて胸が弾む。
ドキドキと、心臓が痛いくらい鳴っている。



辰也は枕元にあった避妊具をつけると、私の腰を持ち上げた。
対面座位の形になって、キスをする。

「ん…っ」

私の秘所と、辰也のソレが擦れ合う。
自分でもそこがひくついているのがわかる。

…」
「ふ、あ…っ!」

少しずつ、辰也が入ってくる。
私が、辰也でいっぱいになって行く。

「あっ、辰也…!」
、もう少し…」
「も、もう無理…っ」

ふるふると頭を横に振る。
もういっぱいで、奥まで届いているのに。

「まだ、少し」
「あ、ああ…っ!」

ぎゅっと辰也に抱き着く。
奥に当たって、すごく、

、苦しい?」

そう聞かれて、また首を横に振る。
少し苦しいけど、それ以上に、奥がじんじんとした快感を訴える。

…っ」

辰也は腰を動かしだす。
水音が響いて、私の頭は快感で染められる。

「た、辰也、あっ!」
、好きだよ」
「ん、あっ…!」

辰也はギリギリまで引き抜いて、一気に奥まで貫いてくる。
辰也は私の気持ちいい所を突いて、私は辰也をきゅっと締め付けて、二人が二人を絶頂に導いていく。

、はあ…っ」
「ん…っ」

キスをして、上も下もつながりを深くしていく。
絶頂が近付いているのを感じる。

「ん、すき…、辰也っ」
「オレも好きだよ」
「あっ、あ、私、も…っ」
「オレも…一緒に行こう」

辰也が私の腰を持ち直して、より一層激しく動く。
辰也が私の一番弱い所を突いたとき、頭が真っ白になった。

「あ、ああ…っ!」
…っ」

辰也も私の中で弾ける。
端正な辰也の顔が、崩れる瞬間。

「ふ、あ…」

繋がったまま、辰也の胸に顔を寄せる。
辰也は私の髪を撫でる。

「辰也、好き…」

ぎゅっと辰也に抱き着いた。
辰也が好き。大好き。
その気持ちで胸がいっぱいになる。

辰也は、私だけの人。
誰にも渡したくないんだよ。

「オレも好きだよ」
「ん…」

もう一度キスをする。
この瞬間が、すごく好き。
幸せを感じられる、素敵な時間だ。

「…オレは、だけのものだよ」

辰也も私を抱きしめる。
見透かしたような言葉に、胸がぎゅっと締め付けられる。

「…うん」
、好きだよ」








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14.05.23