「ふあ…」
ちん、ねむそー」

朝練の後、片付けをしているとき、横にいたちんがあくびを噛み殺してるのが見えた。

「夜更かし〜?」
「…んー、ちょっと遅くまで電話してて」
「室ちんと〜?」
「…うん、まあ…」

やっぱり当たった。
仲良いなあー。

「結局ちんと室ちんってさ、いつから付き合ってるの?」
「え?」
「だって最初っから仲良かったし」
「…そんなに?」
「え?」
「いや、よく言われてたから…。そんなに仲良く見えた?」
「うん。早く付き合っちゃえばいいのにって思ってた」

そう言うとちんはちょっとだけ赤くなる。
そのままのこと言っただけなんだけど。

「で、結局いつから?7月?」
「そんなに早くないよ…。その頃まだ会ったばっかりじゃない」
「えー、だってその頃もうイチャイチャしてたじゃん」
「い、イチャイチャって…」

だってイチャイチャしてたじゃん。
名前で呼んでたり二人だけで喋ったりさー。

「えーとね、じゃあ、おとといでしょ?」
「え、なんで…」
「あ、当たった?やっぱり〜」

ちんは目を丸くして、顔を上げてオレを見る。

「だってちんわかりやすいんだもん。最近元気なかったのにおとといの練習中とかそわそわしてたし」
「…ま、まあ…」
「あと室ちんもめっちゃうれしそうだったし〜」

今までずーっと元気なかったちんがいきなり元気になったし、室ちんも普段はわかりにくいけど、あんなにうれしそうにしてたらなんかあったんだな〜って思うって。

「いいなあ〜。二人がうれしそうだとオレもなんかいい気分ー」
「そうなの?」
「うん。だってオレ室ちんもちんも好きだもん」

そう言ったら、ちんは驚いた顔をした後に、今までで一番うれしそうな顔をした。

「ありがとう」
「?なにが?」
「ふふ」

なんでお礼言うんだろ。
わかんないけど、ちん嬉しそうだし、まあいいや。











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13.01.25