※ネタがネタなのでR18にしていますがエロは全くと言っていいほどありません


















部活のない休みの日。
今日は辰也の家で一緒に勉強をする予定だ。

シャーペンの芯がなくなりそうなので、辰也の家に向かう途中、少し遠回りをしてコンビニへ向かった。

「あれ、敦」

コンビニに入ると、敦の姿が見える。
さすが2メートルオーバー。店内の奥のほうにいるのにすぐわかる。
敦は奥の棚で物色しているようだ。
入り口近くにある芯を買って、敦に話しかけた。

「敦」
「あれ、ちん」
「こんなとこまでどうしたの?」

敦の住んでいる寮からここまではそれなりに距離がある。
寮の近くの方が大きいショッピングモールもあるし、わざわざここまで来ているなんて、こっちのほうに遊びに来たんだろうか。

「ゴム買いに来たんだよね」

敦はなんてことない、ふつうの会話と同じトーンで言う。
ゴム、って…まさかヘアゴムのことじゃあるまい。
でもこの声の大きさで、まさかそんな。

「?何フリーズしてんの?だからコンド」
「わーー!敦!!」

敦はふつうに正式名称を言おうとするものだから、慌てて制止する。
私の大声でかえって注目を浴びた気がするけど仕方ない。
敦の腕を引っ張って外に出た。

「なーに、ちん」
「あ、敦のバカ!なんて話してるの!」
「えー?」

敦は「何が悪いの?」という顔で首を傾げる。
…本当にこの子は…。

「ああいう話は、その…人のいないところで同性の友達とか恋人とするものでしょ」
「そーお?別によくない?ちんだって別に処女ってわけじゃないでしょ」
「な…っ!」

敦は相変わらずの口調で続ける。
確かに私に関しては、その、まあ、その通りではあるんだけど、だからってここでこんな話をするのはよくない。

「オレのサイズってなかなか売ってなくてさーこっちもなかった」

敦は私のことなんか構わず話し続ける。
まだ言うのかこの子は…。

ちんはいつもどこで買ってんの?」
「えっ」

敦の突然の質問に間抜けな声を出してしまう。
答えられなくて俯くと、痛いくらいに敦の視線を感じた。

「もしかして」
「……」
「買ったことないの?」
「………」
「全部室ちん任せ?」
「う……」

敦の言う通りだ。
そういうものは全部辰也が用意してくれている。
…というより、今まで辰也が用意してくれているという事実にも思い至らなかった。
それらは当然そこにあるもので、誰が用意するとか、買うとか、そういうことを考えたことがなかった。

「うわー、そんなんじゃ愛想尽かされるよ」
「!そんなこと」

ないと言いたいけど、少しばかり不安がよぎる。
確かに全部が全部、辰也に任せっきりじゃいけない気がする。

「……」
「も〜、落ち込まないの。心配なら買ってけば?」
「え」
「だってこれから室ちんとやりに行くんでしょ?」
「!!!違う!勉強しに行くの!」
「なんの?」
「受験!勉強!!」

そう叫んでふいと敦に背を向けて辰也の家に向かった。
本当に勉強だから!勉強しに行くんだから!!







「あっ、あっ辰也…っ」
…」

…敦にああいったくせに、結局こうなってるということは置いておいて。
勉強が終わった後私たちは当然のようにベッドの中に入っていた。
辰也が枕元に手を伸ばす。
そこに置いてあるのは避妊具のはず。
しつこいぐらい、私が焦れるぐらいに愛撫をして、ようやく挿れてくれるようだ。


「…あ、待って!」

ハッと我に返って、辰也を呼び止める。
辰也の部屋に来る前、敦と話したことを思い出す。
敦の「全部室ちん任せじゃ、室ちんに愛想尽かされるよ」という言葉を思い出す。
辰也はたびたび「のことを嫌いになるわけがない」と言ってくれているけど、さすがに全部任せきりじゃ呆れられるかもしれない。
それに何より、辰也に喜んでもらいたい。
辰也はいつも自然にスムーズのことが運ぶようにいろんなことを用意してくれている。
その思いが私はとても嬉しいから。

「どうしたの?」
「あ、あのね!その…」

バクバク言っている心臓を抑えながら、意を決して辰也に言う。

「私が、つ、つけてもいい?」

そう言うと、辰也は目を丸くする。
そりゃそうだ。今まで基本されるがままだった私がこう言い出したんだから。

だけど、そんなんじゃ愛そう尽かされると言われたら頑張るしかない。
辰也に飽きられたくない。
残念ながらゴムを持っていないので、今できることといったら私がこれを辰也につけてあげることだけだろう。

「いいの?」
「う、うん。ちゃんとできるかわからないけど」

体を起こして、辰也の手からゴムをもらう。
つけるのは初めてだけど、大丈夫、辰也がいつもつけてるのを見ていたから。
それと同じようにやれば大丈夫なはず。

震える手を抑えながら、ゴムの袋を開ける。
これを、辰也につけて…。

「あ、。それ逆」
「えっ?」
「こっちね」

辰也が私に手を添えて、ゴムをひっくり返す。
裏表とかあったのか、これ…。

「そ、そうなんだ」
「うん。ちゃんと覚えておいて」
「うん…」

じっとゴムを確認しておく。
確かに覚えておかないと。
今回一回きりじゃなく、これからも度々こういうことはしておきたい。

「じゃ、じゃあつけるね」

ゴムを辰也のそれにかぶせて、少しずつおろしていく。
やっぱり緊張して手が震える。でも、ちゃんとやらなくちゃ。

「ん…っ」
「あ、ごめん痛かった!?」

辰也が声を出すので、慌てて手を引っ込める。

「いや、気持ち良くて」
「えっ、あ…っ、うん」

まさかそんな言葉が出てくるとは思わず、おかしな返事をしてしまう。

「ごめん、もし痛かったらちゃんとそう言うから続けて」
「うん…」

辰也に言われて、作業を続ける。
もう少しで全部つけられる。

「…できた!できたよね?」
「うん」

全部かぶさったところで、辰也の顔を見上げる。
辰也はとても嬉しそうな顔で、ずっと私を見ていたようだ。

、すごく嬉しいよ」
「わっ!?」

辰也は再び私を押し倒す。
そのまま何度も何度もキスをして、私の頭を辰也のことだけでいっぱいにさせていく。

「嬉しい。こんなことしてくれるなんて」
「う、うん…あっ!」

辰也は私をいとおしそうに見つめて、自身を私に挿入していく。
私の体も頭も、辰也でいっぱいになっていく。






「辰也…」

情事の後、辰也の腕枕タイム。
私の一番好きな時間だ。

、大好きだよ」
「私も…」

辰也が好きで好きでたまらない。
その気持ちだけが胸に広がっていく。

「辰也、私頑張るね」
「?」
「いろいろ…さっきみたいなのとか。私、こういうこと全部辰也に任せきりだったから」

ちゃんと、頑張ろう。辰也に飽きられないように。

「ゴムとか…私も買うから。辰也いつもどこで買ってるの?」
「オレ?大体通販で買ってるよ。薄くていいのこのへんじゃ売ってないからね」
「あ、そうなの…?」

コンビニとか薬局とかかと思ったら、
そう言われるとなんだか私の出番がないような気がする…。

も使いたいのがあったら遠慮なく言ってね」
「う、うん…」

辰也がそう言うのでとりあえず頷いておいたけど、使いたいのとか、まだそこまでハイレベルにはなれない…。

「…あの、私本当頑張るから。してほしいことあったら何でも言ってね!」
「なんでも?」
「あ…なんでもって言ってもできるかどうかは別だからね!?」

辰也が妖しい笑みで見つめてくるから、慌ててそう言っておく。
なんでも言ってほしいけど、できるかどうかは別問題だ。

「わかってるよ、そんな無茶は言わないから」
「うん…」
「…どうして、急にそんなこと言い出したの?」

辰也は私の頬を撫でながら、優しい顔でそう言ってくる。
少し緊張しながら、その辰也の手を握る。

「全部辰也に任せっきりじゃやっぱりダメかなって思って…」

じっと辰也を見つめる。
辰也は優しい目で、私の言葉を待ってくれる。

「…辰也のこと、好きだから。だから、私も辰也に喜んでもらいたくて…」

辰也のことが大好きだから。
だから、辰也に飽きられたくない。もっともっと、喜んでもらいたい。

「わっ!」
、嬉しいよ」

辰也は少し苦しいくらいに私を抱きしめてくる。
腕の隙間から微かに見える辰也の顔は喜びに満ち溢れている。

「た、辰也」
「嬉しい。その気持ちだけでもすごく嬉しいよ」

辰也は頬を摺り寄せてくる。
これは相当喜んでる時にしかやらないはず。
そんなに喜んでもらえると、私も嬉しい。

「すごく嬉しい。可愛い」
「…ありがと」
「じゃあさ、もう一回ゴムつけてほしい」
「えっ」

まさかの言葉に、素っ頓狂な声をあげてしまう。
いや、つけるのは構わないんだけど、今もう一回するの!?

「た、辰也待」
「待てない」

そう言って辰也は再び私をシーツに沈める。
…本当、辰也といると身がもたない!













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15.02.04





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