…」
「辰也…」

辰也はゆっくりと、優しく私をベッドに寝かせる。
胸がトクントクンと高鳴る。
頭の中が、辰也でいっぱいになっていく。

「んっ…」

辰也は優しく私の首筋にキスをする。
一年前はこんなことですら心臓が破裂しそうなほど緊張していた。
今は、穏やかに胸が高鳴る。

「辰也…」

辰也をじっと見つめると、辰也は微笑んで唇にキスを落としてくれる。
このキスが、私は大好きだ。
優しくて、甘くて、すべてが溶けそうになる。

「ん…」

辰也はゆっくりと私の制服のボタンを外す。
少し迷ったけど、私も辰也のシャツのボタンに指を掛けた。

?」
「あ…やっぱり嫌?」

たまには私も、そう思って辰也のシャツのボタンを一つ外したけど、女子に脱がされるのはやっぱり嫌だろうか。

「ううん、ちょっと驚いただけで。むしろ嬉しい」
「うん…」

そう言われたので、もう一つシャツのボタンを外す。
全部外して、露わになった辰也の肌に触れた。

「辰也…」

辰也の肌に触れると、ドキドキする。胸が痛いほどに。
こんな気持ちになるのは、世界中探しても辰也だけだ。

「大好き」
「オレもだよ」

辰也はシャツを脱いでベッドに下に投げると、私のシャツと下着を取り去る。
さっきの私と同じように、胸のあたりを優しく撫でた。

「ん…」
…」

辰也は私と自分のおでこをくっつける。
そのままゆっくりと瞬きをした。

「好きだよ」

辰也はキスをすると、私の胸に手を当てる。
大きな手で胸をもまれて、声が漏れる。

「ん…っ」

体を捩らせると、辰也が笑うのが見えた。
私が感じる姿を見ると、辰也はいつもそういう顔をする。
一年前ほどではないにしろ、まだ恥ずかしいという思いは消えてはいない。
だから、あまりこういう姿を見せたくないのだけど、辰也が喜ぶならいいかな、とちょっとだけ思う。

「あ…っ」

辰也の指が私のお腹を撫でる。
お腹なんて自分で触っても何も感じないかくすぐったいかだけなのに、どうして辰也だと気持ちよくなるのだろう。

…」
「ん…」

手を伸ばして私も辰也のお腹を触ってみる。
鍛えられた腹筋のおかげで固い。
…自分のお腹が恥ずかしくなってきた…。

「可愛い」

辰也はあっさり私の下着を剥ぐ。
すでに濡れた秘部に外気が当たって冷たい。

「ん…」
「綺麗だよ、

辰也は割れ目を指で何往復か撫でた後、滑らせるように指を中に入れた。
くちゅりと響く水音が、私の聴覚を犯す。

「あっ!」

今までより大きい声が出る。
幾度となく聞かれた声だけど、やっぱり恥ずかしい。

「た、辰也…っ」
、声、我慢しないで」
「…んっ」

恥ずかしいから、と言いたいところだけど、今日は辰也の誕生日だ。
出来る限り、辰也の希望を聞きたい。
辰也の喜ぶことをしたい。
辰也のことが、大好きだから。

「あっ、あっ…」

辰也の指が、私の中を優しく犯す。
指が動くたびに体が反応してしまうのが恥ずかしい。

「あっ、辰也…っ」
…」

辰也は指を引き抜くと、私の頬を両手で包んで、キスをする。
深くて甘いキスに、心も体も溶けそうだ。

、もう挿れたい」

辰也は官能的な目で私を見つめるとそう言った。
ずいぶんと珍しい。
いつもは私が焦れるまで挿れてくれないのに。

「いいよ」
「ん、ごめん。なんか、今日は我慢できない」

辰也はおでこをこつんと当てると、子供みたいな口調でそう言った。
今度は私が辰也の頬を両手で包む。

「いいよ。今日は辰也の誕生日なんだから」

今日は一年に一度の辰也の誕生日だ。
だから、出来る限り辰也のしたいことをさせてあげたい。
…まあ、もちろん無茶な要求は無理だけど。

「だから、いいよ。辰也のしたいことをしよう?」

そう言うと、辰也はわかりやすく目を輝かせた。

「あ、あんまり変なことはダメだよ?」
「わかってるよ」

辰也はそう言うと、私を抱えて自分と私の場所を交代させる。
辰也がベッドに寝転がって、私がその上にいる状態だ。

「え…」
「そのまま、跨って」
「え、えーと」

これは、あれだ。騎乗位というやつ。
今までこの格好はしたことがない。

「ほら」
「う、うん…」

辰也の指示のまま、辰也に跨る。
辰也は背も高いし筋肉質なので、跨るのも結構大変だ。

「あ…っ」
「そのまま、ほら」

辰也は私の腰を持って少し浮かせると、自身と私の秘部を擦りあわせる。
このまま挿れろということだろう。

「え、と…」
「ね?」

『辰也のしたいことをしよう』と言ってしまった手前、今さら「嫌」とは言えない。
その上、そんな甘えた目で見られたら尚更だ。

「ん…」

ゆっくり浮かせた腰を沈めていく。
ゆっくり、ゆっくりと、少しずつ辰也が私の中に入っていく。

「あ、あ…っ」
「ん…っ、

全部おさめきって、辰也のお腹に手を付いた。
自重でいつもより深く入っている。

「た、辰也…」
、そのまま動いて」
「えっ」

動くって、私が上で!?
いや、上に乗れと指示された時点でこうなることはわかってはいたけど、どう動けばいいかなんてわからずおたおたしてしまう。

「ど、どうやって」
「こう」
「あっ!?」

突如辰也が動き始める。
一際高い声を出すと、目の端で辰也が嬉しそうに妖しく笑っているのが見えた。

「あっ、あっ!」
「その調子」

辰也の腰の動きに合わせて、自分の腰も動いてしまう。
私の腰を掴む辰也の手を握った。

「ん、あっ、あっ!」
「可愛いね、

両方の手をしっかりと辰也とつなぐ。
倒れてしまいそうになる体のバランスを保ちながら、辰也の律動を受け入れる。

「あっ、そこ…っ!」
「ここ?」
「や、だめ…っ」

辰也が私のいいところを突いてくる。
首を振ると辰也はより一層そこばかりを狙ってくる。

「あっ、いっちゃ…!」
、こっち向いて」

少し上向いていた顔を辰也のほうに向ける。
涙で霞んだ視界に、大好きな辰也の顔が見える。

「あっ、あっ、イク、いっちゃう…っ」
…」
「あ、ああ…っ!」

絶頂に達し、がくんと体の力が抜ける。
辰也が私の背中まで腕を伸ばして、自分のほうに引き寄せる。
そのまま私は辰也に倒れこんだ。

「ん…」
…」

辰也は私の頭を労わるように何度か撫でると、私の背中に手を回す。
私は体を少し持ち上げて、、どちらからともなくキスをする。
何度も何度も、繰り返し。

「ん…っ」

辰也は今は動きを止めているけど、私の中でそれが鼓動を打つので、どうしても反応してしまう。
辰也は私の背中に回していた手を、お尻のほうに移動させる。

「あっ…」
、動くよ…」
「うん…っ」

辰也は両手で私のお尻を掴むと、そのままの格好で動き出す。
さっきと違い、べったりと上半身を合わせた格好だ。

「あっ、辰也…っ」
、かわいい」
「ん、あっ!」

辰也とのキスを繰り返しながら、繋がりを深めていく。
再び意識が絶頂へ向かっていく。

「あっ、あっ、やあ…っ」

辰也も目を細めて息を荒げて、今この繋がりが快感であることを伝えている。
私も辰也も、お互いを気持ちよくしているという事実が嬉しい。

「あっ、あっ、辰也…っ」
…っ」
「あっ、ああ…っ!」

ぎゅっと辰也にしがみついて、絶頂を迎える。
辰也も果てたようで、私の中に精を吐き出す。
そのまましばらく二人で抱きしめあった。





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15.07.10





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