「じゃーな!また明日な」

駅でアレックスさんと別れを告げて、辰也と二人きりになる。
なんとなく嫌な予感がして、辰也から少し離れる。

「あ、えーと…。明日は朝練あるし、今日はもう帰ろうか」
「冗談だろ?」

辰也は私の腰を抱き寄せる。

「せっかくお風呂も入ったんだし、ね?」

耳元で囁かれて身を捩る。

「で、でも」

胸がどうとかなんて話をした後するなんて、辰也絶対しつこい。
明日朝練で早いし、連日アレックスさんに付き合っていろんなところに行っているから疲れてる。
少しはゆっくり休ませて…!


「辰也、あの」
の全部が好きなんだ」

眉を下げてそう言われる。
わざとだってわかっているのに、この捨てられた子犬みたいな目に私は弱いのだ。

「…少しだけね?」

結局私は辰也の誘いに頷くことになる。





「きゃっ」

辰也の部屋に着くなり、彼は私をベッドに押し倒す。
いつもは優しくベッドに運んでくれるから、驚いて声をあげてしまう。

「辰也」
「どこを触られたの?」
「え?」
「アレックスに」

辰也は私の服を丁寧に脱がしながら聞いてくる。

「…アレックスさんは女の人だよ?」
「知ってる」

辰也は私にキスをして、笑う。

だって妬いたじゃないか。アレックスに」
「そうだけど…」
「同じだよ。オレだけでいいんだ。に触れるのは」

辰也は私の首筋を触る。
私は体を少し捩らせた。

「ん…っ」
「オレが嫉妬深いの、知ってるだろ?」
「…はあ…っ」
「どこ?」
「腕と、背中、とか…」
「とか?」
「…む、胸。ちょっとだけ」

そう伝えると、辰也の表情が変わる。

「…ふうん」
「…怒ってる?」
「怒ってるよ」
「あっ!」

辰也は私の胸をぎゅっと掴む。
思わず声が出てしまう。

の肌も、声も、唇も、全部オレだけのものなのに」
「あ、あ…っ」

片方の胸を揉まれ、もう片方を唇で弄られる。
私はぎゅっと辰也を抱きしめた。

「辰也…っ」
…」
「あっ、私、辰也だけなの、辰也だけのもので、いいの」

私も、辰也だけでいい。辰也だけのもの。

「ずっとだよ」
「ひゃ…っ」

辰也は私の背中をなぞる。
辰也以外に触られてもくすぐったいだけなのに、どうして辰也だとこんな気分になるんだろう。

「あ…っ」

二の腕にキスマークを残すように吸い付かれる。
辰也に触られると、全身どこも気持ちよくなってしまう。

…」

辰也は自分も服を脱ぐと、手を私の下半身へ。
優しく太ももを撫でられる。

「ん…っ」
、好きだよ。全部全部、オレのものだ」

辰也は内股にキスマークを残す。
自分の所有物だと示すかのように。

「あ、あっ!」

辰也の唇が秘部に触れる。
しつこく舐られれば、頭の中に快感だけが広がっていく。

「あ、あっ、辰也、あっ!」

快感が止まらない。
ただただ気持ち良くて、幸せで、頭がぼーっとしてくる。

「ん…っ」

貪るようにキスをする。息が苦しくなるまで、ずっと。

「可愛いよ」

苦しくなったところで辰也は体を離して、ふっと笑う。
自分の好きな人に、可愛いと言ってもらえる。
それは、こんなにも幸せなことだ。

…」
「あっ」

辰也はまた私の胸をぎゅっと掴む。
さっきとは違うほうの胸の先端を舌で転がす。

はこっちを舐められるのが好きだね」
「あっ、ああ、辰也…っ!」

ぎゅっと辰也の頭を掴む。

「辰也…っ、私本当に、あっ、辰也がいいなら、いいの」
「…?」

辰也は唇を離して、私の顔を見る。

「…む、胸の話」

顔を真っ赤にしてそう言うと、辰也は優しく笑った。

「大丈夫だよ」
「…辰也…」
「オレはそのままのが好きだよ」

辰也は私の頭を優しく撫でる。
だったらいいの。
だって私は、辰也だけのものなんだから。

「あっ!」

辰也は私の秘部に指を一本差し込んで、激しく中を弄り回す。

「あ、あっ、ん、ああ…っ!」
「やらしい声だ」

辰也は私の唇をなぞると、その指を私の口内に入れる。

「ん、ふ…っ」

口内と膣内を同時に犯される感覚。
下に入れる指を一本増やすと、上の指も一本増やす。

「ん、ふ、んん…っ、んっ…」
、今すごい格好だ。わかる?」

辛うじて首を振ると、辰也の意地悪な笑顔が涙で歪んだ視界に飛びこんでくる。

「すっごく恥ずかしくて、エロい格好だ」

耳元で囁かれてぎゅっと目を瞑る。
そのせいで涙が零れる。同時に、膣がきゅっと締まるのを感じる。

「ん、ん…っ、ふ…っ!」

快感がどんどん強くなって、息がどんどん苦しくなって、頭が真っ白になっていく。
快感が弾けそうになったとき、辰也は指を引き抜いてしまう。

「ん…っ」
「可愛いね」

辰也は私のお腹のあたりをなぞって、キスをする。
秘部が疼いて、仕方ない。

「た、辰也…」
「ん?」

ぎゅっと辰也の腕を掴む。
辰也はいつも、意地悪だ。

「意地悪…」
「意地悪なオレが、好きなんだろ?」

そう言って辰也は意地悪な顔で笑う。
そんな顔すら、好きだと思ってしまう。

「辰也…」
「うん」
「い、挿れて…っ、イカせてっ」

辰也から顔を逸らして言うと、辰也は私の顔を自分のほうに向けさせた。

「ちゃんと、オレの顔を見て言わないと」
「…っ!」
「もう一回」
「あっ!」

辰也の指が私の秘部の表面をなぞる。
ぐっしょり濡れているそこは、指を飲み込みそうになるけど、辰也はなぞるだけ。

「ん…っ、挿れて…っ、あっ、イカせて…っ!」

辰也の顔を見て、辰也の目を見て、言葉を紡ぐ。
恥ずかしくて、言い終えるとすぐに顔を逸らした。

…」
「あ、ああっ…!」

耳元で名前を呼ばれたのと同時に、避妊具を付けた辰也のソレが入ってくる。
背中を反らして、今にも飛んでしまいそうな快感に耐える。

「あっあ、ああっ!」

辰也の腰が、激しく動く。
辰也が動くたびに、どんどん気持ちよくなる。

「あっ、あっ、気持ちいいの…っ」
「今日は素直だ」
「あっ、ああ…っ!」

より深く突き込まれて、思わず辰也にしがみつくように抱き付いた。

「あっ、たつ、辰也っ、ああっ!」

辰也ともっと繋がりたい。
全部全部繋がりたい。そう思って、辰也の唇に自分のそれを合わせる。
唇を合わせて、舌を絡めて、深く深く繋がっていく。

「ん…っ」
「ふ…んんっ!」

何度も何度もキスをする。
心も体も一つになる。
大好きな瞬間だ。

「あっ、あ、あっ、辰也、もう…っ!」
…っ」

ぎゅっとお互いを強く抱きしめて、私たちはともに絶頂を迎えた。

「あ、はあ…」
「ん…」

辰也は私から自身を抜くと、触れるだけのキスを繰り返す。


「辰也…」

辰也の目。
その目が、何を期待しているかわかってる。

「…でも、明日は」
「…どうしても?」

また眉を下た、捨てられた子犬みたいな表情をする。
その表情は、だめだ。

「辰也…」

辰也を抱きしめる。
「いいよ」のサイン。










 
14.06.13





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