「いい湯だなー!」
「そうですね」

アレックスさんが来て四日目。
今日はアレックスさんが「温泉に入りたい」というので、近くの温泉施設に来ている。
観光名所みたいなところじゃなくて、近所の人たちが入りに来るような健康施設だけど、一応温泉成分は入ってるらしいし…。
辰也と三人で来たけど、当然お風呂では分かれるのでアレックスさんと入ってる。

「日本はいいよなーお風呂つかるの気持ちいいぜ」
「あっちはシャワーですもんね」

アレックスさんとお風呂に浸かりながらそんな話をする。
裸になると、いけないと思いつつ、どうしてもアレックスさんの胸に目がいってしまう。

「どうした?」
「あ、いやなんでも…」
「?」

…いや、ここは思い切って聞いてみてもいいんだろうか。
アレックスさんってその辺りオープンっぽいし!
今裸の付き合いだし!

「あ、あの!」
「?」
「ど、どうしたらそんなに大きくなるんですか…?」
「?よく食べてよく寝てたら180になったぞ」
「あ、そっちじゃなくて…」

身長の話じゃない。
そっちは別にこれ以上大きくなりたいとは思っていない。

「む、胸の話です…」

アレックスさんは目を大きく見開く。
別に、そんなに小っちゃいわけじゃないし、真剣に悩んでいるというほどじゃないんだけど、アレックスさんのを目の前で見ると、私ももう少し…と思ってしまう。

「胸?」
「は、はい…」
「なんだよー別に気にしなくったってタツヤはお前のおっぱい大好きだと思うぞ!」
「!!アレックスさん、声!大きい!!」

慌ててアレックスさんの口を塞ぐ。
なんて内容をこんな大声で…!

「あー、悪い悪い。でも心配しなくても大丈夫だと思うけどなあ」
「そ、そうですか…?」
「そりゃそうだろ。タツヤはのこと好きで好きで仕方ないって感じだぞ」

アレックスさんに頭を撫でられる。
うん、まあ、その。
辰也に胸がどうとか言われたことないし、大丈夫とは思うけど、でも、やっぱりあとちょっと!

「あー、そうだ。恋人に揉んでもらうとでかくなるって言わないか?」
「え」
「よし、タツヤに頼んでやるよ」
「いやいやいや!いいんです!ちょっとした話の種程度の話題なんで!」

慌ててアレックスさんを制止する。
そんなこと辰也に言ったら、絶対とんでもないことになる。

「もうちょっとゆっくり温泉浸かりましょう!なかなかないチャンスですし!」
「そうだなー温泉っていい文化だよな!ロスでももっと入りたいんだけどな〜」

アレックスさんは唇を尖らせる。

「裸の付き合いっていいよな!」

アレックスさんは私の肩に腕を回す。
さすがに裸でこれはちょっと恥ずかしくて、頬が赤くなる。

「……」
「あ、アレックスさん?」
「お前肌すべすべだなー!」
「え」

アレックスさんは私の肌を触り始める。
ちょ、ちょっと…!

「そうだよなー!若いもんなー!もっちもちだな!」
「あ、アレックスさん、ちょっと待って…!」
「ん?いいじゃねえか女同士なんだし!」
「で、でも…きゃっ」

アレックスさんの手はどんどん際どくなってくる。
辰也以外にこんなに触られたことない…って今はそんな話じゃなくて!

「あ、上がりましょう!きっと辰也待ってるし!」
「えーもうちょっといいじゃねぇか」
「もうのぼせちゃいます!」

真っ赤な顔でそう言う。
いろんな意味でのぼせちゃう…!





「お待たせ」
「待たせたな〜」

お風呂から出ると案の定辰也はイスに座って私たちを待っていた。

「いいよ。さっぱりした?」
「うん」
「?、顔赤いよ。のぼせちゃった?」

辰也は私の頬を撫でる。
いろんな意味で熱いです…。

「ま、まあ…」
「なー、の肌すべすべだな!」
「!!」

アレックスさんは辰也にそんなことを言い始める。
辰也は少し顔を歪めた。

「…何してたの?二人とも」
「ん?ちょっといろいろ風呂ん中で触ったりとか」
「…ふうん」

辰也はその言葉を聞くと、私の腕を引っ張って自分の後ろにやる。

、アレックスには近づいたらダメだよ」
「え」
「わかった?」

辰也は真剣な顔で諭してくる。

「ひどいなータツヤ」
「アレックスは黙っててくれ。、わかった?」
「は、はい…」

思わず頷いてしまう。
辰也って、本当…。

「おいおいなんだよ〜女同士だしそれぐらいいいじゃねーか」
「男女は関係ないよ」

アレックスさんは唇を尖らせる。
確かに辰也は言い過ぎな気もするけど、アレックスさんもちょっとやりすぎだし…。

「ほらな、言っただろ」

アレックスさんは辰也の後ろに隠されている私を覗き込む。

「タツヤはが大好きだから、ちょっとぐらい胸がちっちゃくたって大丈夫だって!」
「!!」

あ、アレックスさん…!!



辰也は心なしかキラキラした瞳で私を見る。
いや、気のせいじゃない。
この目は、期待の目だ。

「そんなこと気にしなくたって、オレはそのままのが好きだよ」
「!!」

辰也は私をぎゅっと抱きしめる。
言ってることはとっても嬉しいんだけど、ここ他にたくさん人がいるから!

「辰也、嬉しいんだけどここみんないるから離して…!」
「でもどうしても気になるって言うならいくらでも協力するよ」
「気になってません大丈夫です!ていうか離してってば!」

?そう言っても辰也は私を抱きしめる腕を緩めない。
アレックスさんが私の顔を覗く。

「ほーら言った通りだろ!」

アレックスさんはにっこり笑っている。
この師弟はもう…!












 
14.06.06