辰也は上着を全部脱いで、私を抱き上げてベッドに寝かせる。 「…んっ…」 優しく撫でられながら、キスをされる。 最初は小さく音を立てながら、次第に深いキスに変わって行く。 「いいよ」と、「私も触れたい」と、そう言ったはいいものの、もうすでに心臓が爆発しそうだ。 「た、辰也」 「今更、待ったはなしだよ」 自分の心を見透かされたような言葉を耳元で囁かれて、次の言葉が出てこなくなる。 嫌なわけじゃない。その場の流れで承諾したわけじゃない。 だけど、心臓が今まで生きてきた中で一番ドキドキしていて、このままだと本当に死んでしまうんじゃないかと思う。 「なんか、その、心臓がね」 「爆発しないよ、大丈夫」 「わ、わかってます…」 いつだったかと同じことを言われて、少しだけ気が緩む。 「そんなに緊張しないで」 「う、うん…」 「何も心配しないで。全部任せてくれれば大丈夫だから」 「う…」 辰也は優しい声でそう言うけど、余計に顔が強張ってしまう。 「そ、そんなこと言われたら、余計にドキドキしちゃう…」 顔を真っ赤にしてそう言うと、辰也は笑った。 「そっか、じゃあ」 「わっ！？」 そう言うと辰也は私の脇腹をくすぐりだす。 く、くすぐったい…！ 「た、辰也、あははっ！」 「…力抜けた？」 「え？あ…」 くすぐられて少し力が抜けたみたいだ。 それを察したのか、私の服に手を掛けると辰也はカーディガンとブラウスを手早く脱がした。 初めて見せる格好に、顔が真っ赤になる。 「可愛いよ、」 「…あ、やだっ！」 ブラジャーの上から胸を触られ、聞いたことのないような声が出る。 「や、あ…っ」 布の上から触られているのに、ピリッとした感覚が体を襲う。 初めて聞く自分の声に、羞恥で涙が出そうだ。 「た、辰也、ダメ…っ」 「どうして？」 「だって、変な声が、やあっ！」 「可愛い声だよ。もっと聞かせて？」 辰也はそう言うと、ブラジャーをも脱がすと、私の胸に直に触れる。 先ほど以上の強い感覚に襲われて、大きな声が出てしまう。 思わず手で口を押さえると、辰也がその手を掴んでそれを阻止する。 「ダメだよ」 「だ、だって、…っ」 胸を手のひらで揉まれて、指先で先端を弄られる。 もう片方の胸は舌先で転がされて、もう声が我慢できない。 下の秘部もじんわり濡れるのがわかって、恥ずかしさが止まらない。 「たつ、や、ああ…っ！」 「、本当に可愛いよ。今までで一番可愛い顔だ」 「や、やだ、変な、感じなの」 「変な感じ？」 そう聞きながらも辰也は手を休めない。 今まで経験したことのない、初めての感覚。 すごく変な感触で、今の自分の状態がわからない。 「わ、わからないの、…あっ！」 「…気持ちいい？」 「え…？」 私の胸から口を離して、私の顔の前に持ってくると、私のおでこと自分のそれを合わせて辰也は言う。 「だから、気持ちいい？」 「…っ」 辰也の言葉に顔が赤くなる。 それ、だ。気持ちいい。まさに、そう。 「、ちゃんと答えて？」 「…意地悪っ…」 そんなこと、言えるわけがない。 耳元で囁かれると、また下半身が熱くなる。 身をよじると下着と秘部がこすれて、すでにぐしょぐしょになってしまっているのがわかる。 余計に恥ずかしくなって、顔を逸らして必死に抵抗すると、辰也は胸を弄るのをやめて、体の下に手を伸ばす。 すると、下着の上から秘部に指が触れる。 「ふ、ああ、つっ…！」 「、これでもダメかな？」 「あっ、…ん、わかってる、でしょ…っ」 こんなに声を出して、こんなに下着を濡らして、わからないわけないのに。 それでも辰也は聞いてくる。 「ねえ、気持ちいい？」 「…っ、あ、気持ち、いいよ…ああっ！」 私の答えを聞いて、辰也は薄く笑うと、私の下着とスカートを一気に剥ぎ取った。 そして私の足をぐっと左右に広げさせ、自分でも見たことのない場所を覗き込む。 「あ、や、やだ！」 「本当だ。すごく濡れてる」 「…っ！」 足を閉じようとするけれど、辰也の手によって阻止されて、身をよじった。 「すごいね。どんどん溢れてきてるよ」 「…っ、見ないで、そこで、喋らないで…っ」 辰也が喋るたびに、そこに息を感じてゾクゾクとした感覚に襲われる。 恥ずかしいのに、逃げ出したいくらいに恥ずかしいのに、秘部から液体が溢れるのを止められない。 「…ああっ！」 辰也が私の秘部に舌を這わせると、想像以上の快感が全身を駆け巡る。 下着の上からとは比べ物にならない感覚。 最早声を我慢することなんてできるわけもなく、ただただ甘い声を出すだけだった。 「あ、やあ！…っ、辰也、ああっ…！」 「、感じてるんだね。すごくひくついてる」 「…っダメ、だって、そこで、喋らないで…っ！」 そう言うと辰也はナカに舌を差し込んでくる。 生暖かい感触に、頭がくらくらする。 「あっ、やあっ…」 「可愛いよ」 「…あっ、やあ、ああっ！」 辰也はそこから口を離して、私の愛液に塗れた口でキスをする。 「ん…っ」 「いやらしい顔だ」 「…っ」 髪を撫でられたと思うと、もう片方の手はいつの間にか割れ目をなぞっている。 くちゅ、という卑音が響く。体を跳ねさせると、なぞっていた指がナカに入り込んでくる。 「辰也…っ、…ああっ！あ、ああっ」 さっきまでとは違う快感。 最初は優しく、確認するように動いていた指は、だんだん激しく、奥までかき回してくる。 「…っそんな、とこまで…だめ、ふ、あっ…」 「ダメなの？こっちはすごく気持ちいいって言ってるよ」 「っ、ちが…ああっ！」 今度は指をゆっくり抜き差ししたり、かと思えば奥をぐりぐりと突いてきたり。 辰也の指の動きに逐一私の体は反応して、体を跳ねさせて、声を出して、濡らしてしまう。 そしてその蜜のせいで余計にいやらしい水音が響いて。 その音を聞くと、恥ずかしいはずなのに、また濡れてしまって。 「あっやだ…っ、音、そんなに立てないで…！」 「オレのせいじゃないよ。がどんどん濡らすから、いやらしい音が響くんだ」 「…辰也っ、もう、あっ、…ダメ、だって…ん！」 「ダメじゃないだろう？」 辰也はそう言うと、指をもう一本増やす。 新しい刺激に、より一層嬌声を上げてしまう。 「…ああっ！んっ、やあっ…」 最初は辰也の指をきつく締め付けていたソコは、もう二本の指をあっさり受け入れてしまう。 辰也はナカをかき回す一方で、顔や首筋、胸、全身にキスをされる。 最後に唇にキスをすると、私もそれに応えるように辰也の頭に手を回して抱きしめる。 「…んっ…」 「可愛い」 「あっ…やあっ！ああっ…！」 私のナカを優しく広げるように動いていた指は、いつの間にか激しい動きに変わっている。 最初は「わからない」なんて言ってたけど、もうわかる。 気持ちいい。気持ち良くて、おかしくなりそうだ。 「あっ、ああ…っ！…っはあ」 「…、好きだよ、世界で一番」 そう言って辰也はナカから指を抜くと、私の体を一瞥する。 辰也は自分の服と下着を脱いでベッドの下に落とした。 「…っ」 初めて見る辰也のそそり立つソレを見て、体を強ばらせる。 そんな私の状態に気付いたのか、辰也は優しく私の頭を撫でる。 「大丈夫だよ。もう十分濡れてるし、ゆっくり挿れるから」 「う、うん…」 そう言って辰也は私に優しく、触れるだけのキスをする。 そして、ベッドサイドの棚の引き出しから避妊具を取り出すと、自分のソレに装着した。 とうとう、と、そう思うとやっぱり体が固くなってしまう。 辰也に触れたい、触れて欲しいと思った気持ちは今でも変わらない。嫌なわけじゃない。 でも、体の方はどうしても緊張してしまう。 「、力を抜いて」 「…う、うん。…あっ！」 自分の秘部に辰也のソレがあてがわれると、自然と体が跳ねる。 本当に、心臓が爆発しそうだ。 「…行くよ」 「…っ！ふ、…っ」 辰也の声と同時に辰也自身が入り込んできて、感じたことのないような圧迫感に襲われる。 「い、た…っ」 「ごめんね、痛い？」 「…ちょっと、痛いけど、…大丈夫」 痛みもあるけど、やめてほしいとは思わない。 心配そうに私を見つめる辰也に、私からキスをした。 大丈夫だよ、と。辰也が好きだよ、と。 「…や、ああっ！」 辰也自身がより深くに入ってきて、息を詰まらせる。 「たつ、や、あ、やあっ」 「…」 少し濡れた辰也の声に心臓が跳ねる。 そうだ、今、私は一番好きな人と、辰也と、一つになっている。 そう思うと、自然と涙が出てしまう。 「、大丈夫？」 辰也は心配そうにそう聞いてくる。 泣いてるのは、そうじゃない。 「違うの、今、すごく幸せで、だから…」 言い終える前に辰也は私にキスをする。 本当に、今すごく幸せで、幸せすぎて死んでしまうんじゃないかと思うぐらい。 「オレもだよ。すごく幸せだ」 「…あっ、辰也っ、ああっ、やっ…！」 優しく、ときどき激しく、辰也は私を浸食していく。 痛みはいつの間にかなくなって、快感だけが私の体を支配する。 「あっ、ああっ、ん…っ、ああっ！」 ギリギリまで引き抜かれたかと思うと、また奥まで入ってきて。 肉の打ち合う乾いた音と、いやらしい水音が響き渡る。 「、好きだよ」 「あっ、私も…っ、やあっ！」 「だからもっと、可愛い顔見せて？」 辰也は私の顎を持って顔を近付け、腰を円を描くように動かす。 先ほどまでとは違う動きに、足がガクガク震え出す。 「ん、あっ、ああっ…！」 「可愛い」 目をぎゅっと瞑ると、瞼にキスを落とされた。 涙が溢れて、止まらない。 「辰也、…あ、や、そこっ、ダメ…っ」 「ここ、好きなんだね」 「あっ！やあ…っ、あっ！」 ある一点を突かれて、私の体は大きく反応する。 感じる場所を見つけた辰也は、そこばかりを責め続ける。 快感でどうにかなっていまいそうだ。 「あっ、やあ…、ダメ、っ変、変になっちゃう」 「…変？」 いつの間にか辰也も頬を上気させ、目を細めている。 辰也も私と同じように、気持ちいいと、感じてくれているんだろうか。 「変なの、あっ、気持ち良くて、おかしくなりそ…っ」 「うん、一緒だ」 辰也はそう言うと、噛みつくようにキスをする。 目の前が真っ白になりそうになるのを必死にこらえるけど、もう限界だ。 「…ああっ！もう、ダメっ…」 「…オレも…っ」 そう言うと、辰也はより一層動きを速める。 もう、ダメだ。本当におかしくなってしまう。 「辰也、ふ、ああっ…！」 そう思った直後、目の前が真っ白に弾け飛ぶ。 それと同時に、私は意識を遠くへ手放した。 ←　→ 13.06.21 押してもらえるとやる気出ます！